むかし「およげたいやきくん」という歌があった。
毎日毎日ぼくらは鉄板の
上で焼かれていやになっちゃうよ
みたいな歌詞だ。
しかし、ある日、そこから逃げるのに成功し、海で楽しく暮らしていた。
小学生の頃は歌詞の意味も考えずその歌を聞いていたが、いまあらためてその歌詞を見直してみると、「およげたいやきくん」はかわいそうな運命だった。
最後はどうなるかというと、釣り上げられてこうなる。
やっぱりぼくはたいやきさ
少しこげあるたいやきさ
おじさんつばを飲み込んで
ぼくをうまそに食べたのさ
たいやきくんは食べられてしまう運命なのだ。
どうしてこの歌はそんなに流行ったのだろうか。
歌詞を考えてみると、「どうせたいやきはたいやき」、「食われるのが運命」のような印象だ。
「運命には逆らえない」とか、「分相応に生きろ」とか、そんなことを言っているようだ。
ちょっと悲しい。
そして、私もこのたいやきと変わらないのだろうかと考える。
結局、自由に生きようと思っても、自分は自分。
運命を変えることなどできない。
そうなのかと思ってしまう。
さて、どうやってこの先生きていったらよいものか・・・。