「もっと自分の頭で考えたら?」~ドクターX 大門未知子より(令和元年11月8日)

ドラマ好きのみっちーです。

 

今話題のドラマといえば、それは「ドクターX」。2012年から始まって、現在はシーズン6を放映中。

 

主演の米倉涼子が、大門未知子のイメージがつきすぎるとのことで、もうこの役はやらないと思っていた。しかし再び始まったのはうれしい。

 

今シーズンの平均視聴率は第一話から順に

 

20.3%→19.9%→18.1%→17.8%

 

と徐々に下がってきている。下がってはいるものの、一番低い第4話でさえ17%を超えているところがすごい。ちなみに同じテレビ朝日で現在放映されている「相棒」でさえ、今期の最高視聴率は16.7%(第1話)だ。

 

キムタクの「グランメゾン東京」の最高視聴率が13.2%(第2話)、月9の「シャーロック」の最高視聴率が12.8%(第1話)である。

 

「ドクターX」の視聴率がどれくらいすごいかが、想像できるであろう。

 

ところで「ドクターX」を全く見たことがない人もいると思うので、どんな話かをご紹介。

 

主人公は米倉涼子さんが演じる大門未知子。彼女は、群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけを武器に突き進むフリーランスの天才外科医である。

 

口癖は「いたしません」「私、失敗しないので」だ。彼女は医師免許がなくてもできる仕事はしない。つまり我が道を行くタイプの人間だ。

 

決め台詞の「私、失敗しないので」は嘘ではなく、どんなに難しい手術でも、そのことばどおりに必ずやり遂げる。

 

そして、大門未知子が失敗せず手術をやり遂げるのが、この物語の定型パターンだ。

 

そんな大門未知子が勤める病院は、東帝大学病院。

 

令和の時代を迎え、大混乱に陥った医療界。多くの問題を抱えるなか、東帝大学病院はかつてないほどの大赤字になってしまうのであった。

 

その大赤字から脱却するためにやってきたのがニコラス丹下。かれは世界でも指折りの企業再生のプロだ。東帝大学病院は彼のもと経営再建の道を歩み始める。

 

それが、今期の「ドクターX」の背景である。

 

とまあ、前置きは置いといて、そろそろ本題にいくことにする。

 

ニコラス丹下が連れてきた医師の一人にユースケ・サンタマリア演じる潮一摩という人物がいる。彼は、次世代インテリジェンス手術担当外科部長としてボストンからやってきた。

 

彼は丹下が導入したAIシステムを強力に推進していて、なにかと「AIにまちがいはない」と言う。いつもAIに頼りっきりのAI至上主義者なのであった。

 

そして今回の第4話で、潮の母が登場する。

 

彼女が挙動不審な行動をとることから、潮がAIによって診断する。その結果、AIは「アルツハイマー認知症」の確率が高いとはじき出した。

 

しかし、潮の母の行動から、大門未知子はアルツハイマーという診断に疑問を持つ。実はちがう病気だったのだ。

 

さて、そのときの大門未知子が潮一摩にいった言葉がこれだ。

 

AIばっかり見てるから治るものも治せないの。もっと自分の頭で考えたら?

 

今日、私が一番心に響いたのがこのことばだった。

 

今の世の中、とても便利になり、なんでもスマホが答えを用意してくれるようになった。

 

わからないことがあったら即座にググる。検索すればすぐに答えが見つかる。

 

あのドラマの登場人物は誰だったかなぁと思ってググると、公式サイトがすぐ見つかるし、ウィキペディアなんかもすぐに出てくる。

 

この英語の意味がわからないなぁと検索すると、用例とともに答えが出てくる。

 

ヤフー知恵袋などもいまだに健在で、検索するとよく出てくるものだ。

 

スマホのアプリもたくさん活用する。電車の時刻が知りたいときは「乗換案内」で調べたり、見知らぬ土地に行くときは「グーグルマップ」を活用したりできる。

 

ニュースが見たいときは「グノシー」「Yahooニュース」なんかがよくまとまっていて便利だ。天気予報などもアプリですぐにわかる。

 

知りたいことがすぐにわかってしまう、なんてすごい時代なんだろう!!!

 

この先、AIがが発達しちゃったら、ますます人間は考えなくなっちゃうじゃないか、そんな気がする。

 

だって、AIがなんでも答えをだしてくれるんだから、人間は答えを考える必要はありません。

 

・・・なんて、それはまずいよね。

 

この先、AIが発達し、答えを出す必要があるものには、どんどん答えを出してくれるだろう。

 

だけど、世の中には「正しい答えがないもの」がいくつもある。

 

たとえば、「誰を愛するべきか」、「自分にとって幸せとはなにか」、「どうすればいい人生を送れるか」などというものは、AIで答えを出すものではないものの代表例だ。

 

だから大門未知子のいうとおり、「もっと自分の頭で考える」ことが必要なのだ。ふだんから自分の頭で考える習慣がなければ、なんでも人の言うことに左右されてしまう人間になってしまう。

 

オススメのデートスポットとか、休日どこに行くべきかとか、どんな服装をするかとか、どんなものを食べに行くかとか、そういったものすべてみんなと同じようなものを選んでしまうだろう。

 

流行りの服を着て、みんなが見てるドラマを見て、みんなが聴いている音楽を聴いて、みんなが閲覧しているユーチューバーを見て、みんなと同じ生き方をするんだろう。

 

それはラクかもしれないが、そんなんじゃあいけないと思う。

 

やっぱりこの世の中をおもしろく生きていくためには、自分の頭で考えたことをやっていくのがいい。

 

大門未知子はまさにそんな人だ。

 

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い・・・、というのがそれを端的に表している。

 

我々は、もっと大門未知子を見習うべきなのだ。

 

私は、「ドクターX」を見てそう思った。