2017-06-23 おもたい かなしみ

八木重吉の詩

 

おもたい かなしみ

 

おもたい かなしみが さえわたるとき
さやかにも かなしみは ちから

みよ、かなしみの つらぬくちから
かなしみは よろこびを
怒り、なげきをも つらぬいて もえさかる

かなしみこそ
すみわたりたる すだまとも 生くるか

(「秋の瞳」所収 青空文庫より)

 

2017年6月23日、日本中に悲しみが襲いました。

 

人の死はなぜこれほど悲しいんだろう。

身近の人が亡くなったわけでもないのに、死を目にすると悲しみに襲われます。

 

ニュースで目にした悲劇

悲しい小説

ドラマ

映画

 

私は特に涙もろいのかもしれませんが、死の場面に遭遇してしまうと、自然に目頭が熱くなってきます。

 

死を目の当たりにした悲しみは、それほど力が強いのかもしれません。

 

 

詩人、八木重吉は「秋の瞳」の中に、「おもたい かなしみ」という詩を残しました。

 

かなしみは ちから

 

かなしみは よろこびを
怒り、なげきをも つらぬいて もえさかる

 

かなしみのパワーってこんなに強いものなのか・・・。

かなしみって弱いものだと思っていました。

 

しかし、考えてみると、かなしみこそ、人の変える力があるもので

 

かなしみこそ、人を動かすパワーの源となり得るものだと感じました。

 

その衝撃は、人生を揺るがすほどのものになる可能性さえあります。

 

できれば、そんなおもたいかなしみを背負うことなく、生きていきたいものです。