2016-05-21 過去のいやな思い出がよみがえったとき、八木重吉の「心よ」を思い出しました(№311)

たまに、自分の心が自分ではなくなってしまうような感覚があります。

 

それって私だけなんでしょうか。

 

おそらく、いつの間にか過去のいやな思い出に浸ってしまうのだと思います。

 

なんか心だけ過去に旅している感じ。

 

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「おれ、あのセミナーを受けてみようと思っているんだよ」

 

今から数年前、とある講演会を聞いたばかりの私は、その人が主催するセミナーを受けてみたくてたまりませんでした。

 

「だいたいねぇ、40万円くらいかかるんだって!」

 

未来の自分のためにそれくらいはいいかな、なんて思っていました。

 

「どう思う?」

 

当時つきあっていた彼女は困惑した表情でした。

 

「いや、ちょっと受けたいなって思っただけだからさ・・・」

 

彼女は乗り気じゃないなぁ、当たり前か・・・とその時は思いました。

 

翌日、彼女からLINEが来ました。

「私、ちょっとついていけない・・・」

 

自分にとっては将来の投資のつもりでしたが、彼女にとっては40万も払って将来どうなるかわからないわけですから、不安で不安でたまらなかったのでしょう。

 

それでなくても、転職して不安定な生活になったのです。おそらく2人のためにお金を使ってほしかったのでしょうね。


「1ヶ月会うのをやめよう・・・」

 

彼女にそう言われました。話し合いはもちろん、なにか罵られたわけでもありません。ただ一方的に会うのを拒否されました。


そして、1ヶ月後にわかれました。

 

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たまに、昔働いていた職場の社長のことを思い出します。

 

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 社長との面談中


「おまえなんか、地獄へ落ちろ」

 

「おれをコケにしやがって」

 

「おまえは部下にいい顔ばかりしやがって」

 

「そういうやつは地獄へ落ちろ」

 

1時間以上、ずっと罵声を浴びせられっぱなしでした。


おそらくもっとひどいことを言われたけれど、忘れてしまいました。


おぼえているのは「地獄に落ちろ」というのを10回くらい言われたことです。

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・・・なんでしょう。ふとしたときに、こういう嫌なことを思い出すんですよね。

 

というか、心が過去に戻っているというか・・・。

 

 

まあ、いつもこんなひどいことばかり思い出すわけではありません。とにかく、心が今の自分から離れてしまうのです。

 

今日も、ふと今の自分から心が離れてしまった瞬間がありました。

 

そして我に返ったときに八木重吉の「心よ」という詩を思い出しましたのです。

 

心よ

 

こころよ

では いっておいで

 

しかし

また もどっておいでね

 

やっぱり

ここが いいのだに

 

こころよ

では 行っておいで 

 

「心よ、たまに過去の自分を思い出してしまうのもいい」


「でも、もどっておいで」


「やっぱり今の自分がいいんだよね」


どんなに過去のことを思い出そうとも、ずーっと過去にとらわれていてはダメですね。

 

私は過去の自分を思い出しては悔やむ自分がイヤでイヤでたまらなかったのですが、この詩の八木重吉みたいに

こころよ

では いっておいで 

と余裕で言えるような精神でいたいです。

 

そして

しかし

また もどっておいでね

 と自分の心に言ってあげたい。

 

いまの自分の心が一番いいに決まっているから。

 

過去をどんなに悔やんだところで所詮過去。

 

今を生きる私は、これからの自分の生き方をつくることができるのです。だから「心よ、ここに戻ってこい」と言わなければいけません。

 

ずっと八木重吉のこの詩の意味がわからないでいましたが、今日、少しわかったような気がしました。


たまに自分の心を過去に旅させてあげるのもいいでしょう。


でも、しっかりと今を生きていきたいですね!