信頼できる人

私を信頼してくれる人が世の中に何人いるだろうか?

数えるのが少しこわいです。

それほどまでに私は人とのつながりを
いままで重要視していませんでした。

しかし、お金よりも大切なものは
人とのつながりだということに
最近やっと気づいたところです。

いままで私と関わった人にはお詫びを言いたいです。

さて、信頼関係ということで本日は
4月29日(金)の日経新聞「文化」より
寺島忠男さんの記事を紹介します。

以下引用です。

満席のNHKホールに喝采がうねりとなってこだまする。
舞台に引き返したブラシド・ドミンゴが、
祈りを込めてアンコールに唱歌「故郷」を
日本語で歌う。

観客は総立ちになり、一緒に歌いながら感動の涙。
歌っているドミンゴや共演したソプラノ、
ヴァージニア・トーラの目にも涙が光っていた。
舞台と客席が一つになり、天にも届けとばかりに
別世界の空間が広がった。

「故郷」を歌い終え、舞台そでに戻ったドミンゴ
タオルを渡す。
私はもう一度、彼の背中を押した。
最後のアンコール曲「グラナダ」。
力強い歌声が再び観客を、被災地を、日本を励ました。

そのときの様子はNHKニュースで取りあげられています。


そこにいた人はみんな一体になり、
感動に包まれていたのだろうと想像します。

震災後、海外のアーティストの公演が相次いで
中止されているなか、
ドミンゴ氏は予定通り来日しました。

そのときのドミンゴ氏のことばに
私は心打たれました。

今日ここに着くまで、私は来日に
一度たりとも疑問を持たなかった。
もし来ない方がいい状況なら
24年間一緒に仕事をしてきた
ヨシコ(私の妻の名前)とテリー(私の愛称)とが
最初に言ってくれる。
彼らが言わないのなら、
絶対に安全だと確信を持っていた。
(注)文中の「私」は寺島忠男さんのことです。

ドミンゴ氏は本当に温かく、
人間的なスケールの大きな人だと思います。
そして、心から寺島忠男さんのことを
信頼しているのだと感じました。

仮にどこかの国で原子力発電所
事故を起こして
その国に住んでいる友だちが
「大丈夫だから来てよ」と言ったとき
私はそこに行けるだろうか。

私だったら絶対に躊躇するでしょう。

だがドミンゴ氏は寺島さんに
絶対の信頼を寄せているから
なんのためらいもなく来日したのです。

こういう人間関係は素敵です。
人との信頼はお金にかえられない財産です。

そして私も、もちろん信頼される人間になりたいです。
しかし、まずは人を信頼すること、
そこから実践していきます。

やがてプラシド・ドミンゴ氏みたいに、
スケールの大きな人間になりたいです。