おはようございます。みっちーです。
本日もよろしくお願いします。
以前、こんなツイートをしました。
それから、読書の本って、みんなどうやって選んでるの?#読書
— みっちー@アラフィフブロガー (@motoshidaa) 2019年4月4日
フォロワーさんから、いろんなアドバイスをいただき、そのうえオススメの本まで紹介されました。
そして、あるフォロワーさんが江戸川乱歩「人間椅子」がよいというので、読んでみることにしたのです。
本日は、その感想を書いていきます。
「人間椅子」の感想
まず、このタイトルに目をひかれる。
「人間」も「椅子」もありふれたもので、それ自体は見慣れている。ところがこの2つの単語を組み合わせた「人間椅子」、さすがにあまり聞いたことがなく、奇妙な感じだ。
この作品の作者は江戸川乱歩。ウィキペディアによるとこんな人。
男性、1894年(明治27年)10月21日 - 1965年(昭和40年)7月28日)は、大正から昭和期にかけて主に推理小説を得意とした小説家・推理作家である。また、戦後は推理小説専門の評論家としても健筆を揮った。
推理小説家で、ペンネームの「江戸川乱歩」は、アメリカの小説家であるエドガー・アラン・ポーから取ったことが有名。
私が生まれる前に、すでに亡くなっていたが、彼の作品は日本中で知られていた。
なにせあの有名な、名探偵明智小五郎や怪人十面相の生みの親。そのシリーズはドラマ化されてテレビでも放映されていた。
私も小学校の頃に、明智小五郎が出てくるシリーズはよく読んだものだ。
([え]2-1)怪人二十面相 江戸川乱歩・少年探偵1 (ポプラ文庫クラシック)
- 作者: 江戸川乱歩,平井憲太郎
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2008/11/18
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あの頃は、けっこう流行っていたなぁ。
でも、考えてみれば、このシリーズくらいしか読んでいなかった。今回あらためて江戸川乱歩を読むのにいい機会を得た。
話を「人間椅子」に戻そう。
まずはあらすじから。
外交官を夫に持つ閨秀作家(女性作家のこと)の佳子は、毎朝夫の登庁を見送った後、書斎に籠もり、ファンレターに目を通してから創作にとりかかることが日課だった。ある日、「私」から1通の手紙が届く。それは「私」の犯した罪悪の告白だった。
話は、女性作家の佳子が、ファンレターに目を通すことから始まる。
というか、この話のほとんどが、その手紙だ。そして、その内容が驚愕するものだったのだ。
簡単に言うと、この手紙の「私」は職人で椅子を作っていた。あるとき、いたずら心で椅子の中に人が入れる空洞をつくる。やがて自らがその空洞に入り、その椅子に座る人間の感触を椅子の革ごしに感じて喜びを得るようになったという内容だ。
まさにタイトル通りの人間椅子!!!
もちろん、こんなこと実際にやったら捕まるし、ゾッとする。
まじで変態そのものだ。
こんなこと考えついた江戸川乱歩は天才としか言いようがない。
椅子の中に人間が入って、座る人の感触を感じて喜びを得るという変態行為、こんなことを思いつくだけでもすごいと思うが、さらに、このときの描写もヤバい。
彼らが柔らかい、クッションだと信じ切っているものが、実は私という人間の、血の通った太股であるということを・・・
これ、仮に自分がそこに座ったとしたら、身の毛がよだつ・・・。
今、見も知らぬ異国の乙女と、同じ部屋に、同じ椅子に、接しているのでございます。それどころではありません。薄い鞣革一重を隔てて、肌のぬくみを感じるほども、密接しているのでございます。
私は椅子の中で、彼女を抱きしめる真似をすることも出来ます。皮のうしろから、その豊かな首筋に接吻することも出来ます。その外、どんなことをしようと、自由自在なのでございます。
これやばいだろ・・・。
こんな文章が、かなりの長文で送られてきたわけだが、送り主の「私」はマジでヤバいやつ。ガチの変態なのだ。
これ、絶対、作者の江戸川乱歩は、人間椅子をつくって実験したにちがいない・・・、そこまで思わせる描写の数々。
こんなやばいやつなのに、手紙を読み進めていくと、さらに佳子にとってやばいことになっていくのだ。
読んでいくうちに読み手は「まさか・・・、まさかとは思うが・・・、やっぱりそうなのか・・・(泣)」となるはず。
「人間椅子」は短編なので一気に読めるのだが、この作品はマジで一気読みした。
江戸川乱歩の筆力には感心、そしてその発想には驚かされた。没後50年以上経っても、なお、ファンが多いのも納得だ。
「人間椅子」は、すげぇー作品だった。
ちなみに、この作品、オチも秀逸。かなりうなった。
青空文庫で読めるが、私はこの本を買った。
ぜひ、一読を!
最後に
江戸川乱歩ってすごい作家だったんだなぁ!
外の作品も、読んでみようと思う。
気になるかたは、ぜひ読んでみてください。