ちょっと、日が飛んでしまいましたが、あいかわらず日記を書いていきたいと思います。本日もよろしくおねがいします。
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NHKドラマの「空白を満たしなさい」が最終回を迎えました。まだ私は4話までしか見てないので、最後どうなるのか知らないのだが、このストーリーはなかなか重い。
このドラマは、数年前に死んだ男がある日突然復活した話です。
この男は生き返ったとき、自分がどうやって死んだのかおぼえていません。でも、まわりの話から、自殺だとわかります。
自分には愛する妻がいて、愛する息子までいるのにどうして自殺などしたのか、全く理解できないまま物語は進んでいきます。
主人公が自分の記憶を辿っていくと、佐伯という男が登場します。この佐伯は、主人公にとってキーパーソンとなる人でした。
ドラマの内容は、たぶんここで話ても理解できないと思うので、今回は、このドラマの第4話を見て思ったことを書いてみたいと思います。
ある日、主人公は佐伯の家を訪れました。
佐伯の家にはたくさんのゴッホの自画像が壁に貼ってありました。
どのゴッホが本当のゴッホだろうか。もちろん全部本当のゴッホです。
佐伯は
「このゴッホ、一枚一枚ずいぶんちがうでしょ。どのゴッホが本物のゴッホだと思いますか。」
という。そして、佐伯は自分の耳を削ぎ落としたあとのゴッホの自画像を指し
「私はこのゴッホだと思います。ゴッホが自分の耳を自分でそいだのは知ってるでしょ。この絵はその直後の絵です。」
と言いました。
佐伯には、耳を削ぎ落としたゴッホこそ、本当のゴッホだと思えたのでしょう。
さらに佐伯はこうも言う。
「あなたのなかにもいろんなあなたがいるでしょう。ゴッホは拳銃自殺をするんです。どのゴッホがどのゴッホを殺したと思いますか?」
「この耳をそいだゴッホを他の全員が殺したんです。この病んだゴッホをよってたかってみんなで殺したんです。どうしてだかわかりますか。幸せでなくてはならないだとか、前向きでなくてはならないだとか、そういった欺瞞に満ちた正しさが人間を殺すんです。自分の耳を削ぎ落とした危険で哀れで病んだゴッホを健康的で生きる力があるゴッホが殺すんです。」
私は、このシーンの佐伯のことばがかなり胸に突き刺さりました。
おそらく私のなかにもたくさんの私がいます。
家のなかにいるときのリラックスした自分。
接客をしているときの、よき販売員の仮面をかぶった自分。
どうしようもなく寂しい思っている自分。
もっと、がんばって自分を高めようと思っている自分。
すでに人生をあきらめた自分。
どれも本当の自分です。
幸い、私には背負うべき家庭もないし、責任をもってひっぱっていくような部下もいません。
私のなかのどれかの私が、ころさなければいけない私などいません。
でも、一歩まちがえれば自分を殺さなければいけない場面が過去にあったかもしれません。
いまはそうでなくてラッキーだと思います。
とりあえず、佐伯のことばがとても私に響いたのでした。
ちなみに、主人公は柄本佑さん、そして佐伯は阿部サダヲさんが演じています。実力派の二人だけに、とても見応えがありました。
もし見てない人は、再放送があったときには見てほしいなぁと思います。
【本日のまとめ】
自分のなかにはいろんな自分がいる。そのいろんな自分のなかのどれかを殺そうとしていないか、ちょっと考えてみる必要がある。