宴のあと
私は10年前、とある塾の、どこかの校舎の校長をやっていました。
定期テストの成績をあげなきゃいけない。
生徒を志望校に合格させなきゃいけない。
難関校にたくさん合格させて合格実績をあげなきゃいけない。
生徒数を増やして、売上をあげなきゃいけない。
そんなプレッシャーと毎日戦いながら、日々を過ごしていました。
やることは、毎日山のようにあります。たぶん今の仕事の100倍くらいは働いていたんじゃないかな。
こんな働いているとストレスがかなり溜まりそうなのですが、そうでもありません。
学習塾で働いていると、生徒との日々の触れ合いが自分への癒しになるのです。
問題が解けたときの満足した顔、成績が上がった時の喜びの顔、志望校に合格した時の笑顔、
そういう顔を見るたびに、「この仕事をしていてよかったなぁ」と思ったものです。
だから、会社がいやでも、何年も辞められなかったんだろうなぁ。
さて、その10年前に教えていた生徒たちが、昨夜、飲み会に私を招待してくれました。
10年も経てばみんな大人になってるんだろうなぁ、と多少緊張しながら会場に向かいました。
いざ、飲み会の席に着くと、あっという間に10年前に戻った感じでした。
みんな大人になり、男性はかっこよくなり、女性は大人のかわいらしさを醸し出しています。
だけど、会話は10年前と変わっていません。
仕事の話もあったものの、本質の部分では全然変わっていないように感じました。
ありふれた言葉で表現しますが、ほんとに楽しかった。
もともと私は、10年前も先生らしくなく、どちらかというとフレンドリーな感じだったと思います。
「先生」と呼ばれるよりは「みっちー」と呼ばれることのほうが多かったような気がします。
昨夜もそんな感じで、妙になつかしかったです。
何年経っても、教え子はかわいいものだ
そう思いました。
招待してくれた教え子たちにはとても感謝です。滅多にこんな気分にはなれませんからね。
みんなありがと!