『裸でも生きる』

ずっと読もう読もうと思っていて読んでいなかった本

『裸でも生きる』を読み終わりました。

この本を知ったのはTBSラジオ久米宏ラジオなんですけど」に

著者の山口絵理子さんが電話で出演したのがきっかけでした。

バングラディッシュと日本を往復しているということ

現地に工場があるということなどを聞き、何をしているのか興味が出てきました。

名前をグーグルで検索したところ本を出していることを知りました。

そしていつか読もうと思っていたらこんなおそくになってしまいました。

『裸でも生きる』は著者の幼い頃からマザーハウスという会社を設立して

今に至るまでを書いた自伝です。

波乱万丈と一言で片付けたら罰が当たりそうですが、本当に普通の人とはちがう

人生をおくっています。

普通の人とちがうというのは、普通の人より努力やチャレンジの量がちがうという

意味です。

いじめられていた小さい頃、非行に走った中学時代、

柔道で全国を目指した高校時代、そして偏差値四十から慶応大学へ。

それだけでもすごい人生ですが、その後著者は

バングラディッシュへわたります。

はじめてバングラディッシュに行った感想を

次のように述べています。

私は何かの力になりたいと思ってこの国に来たが、

私に持っていない「強さ」をこの国の人たちはみんな持っていた。

自分だったら環境を責め、自暴自棄になっていると思えるような

過酷な現実だった。しかし私には「帰る場所」があった。

日本という恵まれた国に生まれ、最低限度以上のものを与えられ、

生きてきた。そんな私が、一貧しい人のために」なんて

思っていたことが、なんて浅はかで、傲慢で、無知な想いだったんだろう、

と強烈に感じた。

今までは努力すれば何でもできる、そう信じていた。

けれど、一人の人間ができることの限界、変わらない現実が、

はじめて努力だけでどうしてもできないものがあるんだと

思い知った。

最貧国と言われるバングラディッシュ

自分は恵まれているということを強く感じたのでしょう。

その後、ジュートというバングラディッシュが世界の輸入量の

90%を占める天然繊維と出会い、バッグの生産を始めます。

もちろんその後も苦労の全力です。

ひとつの会社を設立するというだけでとても大変なことです。

私は会社など設立したことがありませんので、社長さんの気持ちなど

本当の意味では理解できないでしょう。

日経の「私の履歴書」や

経営者の方が書いた本でその一片を垣間見るのみです。

しかし山口絵理子さんはバングラディッシュで工場をさがし

ひとつのブランドをつくったのです。私にはその発想すら

浮かばないと思います。

私は今まで仕事にがんばってきたつもりでしたが、

それは全くのまちがいでした。

著者の山口絵理子さんのような人が、

がんばったと言えるのでしょう。

もう一度、自分は何のために生きているのか

何のために、誰のために働いているのか

そして自分は本当にがんばっているのか

自問自答してみます。

今回この本を読んで自分はいかに苦労していないかが

わかりました。

もっともっと懸命にやっていきます!