どーも、映画好きのみっちーです。
昨年末から公開されている「男はつらいよ お帰り寅さん」。
近々、これを観ようと思っているのだが、その前に家で「男はつらいよ」シリーズの事実上の最終作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」を自宅で観てみた。
これは1995年に公開された作品である。渥美清さんが亡くなったのが1996年で、続編も予定されていたということだから、彼は最後まで寅さんだった。
晩年は癌のため、演技どころか話をするのも大変だったようで、それを思うと、この作品でのセリフひとつひとつがとても重く感じる。
とりあえず、渥美清さんの話はおいといて、この作品ではシリーズ中、もっとも寅さんと気が合う女性リリーが登場する。
リリーは浅丘ルリ子さんが演じ
の三作に登場している。いずれの作品も寅さんとかなり気が合っている。寅さんが結婚するならこの人しかいないと、観ている人は誰もが思ったはずだ。
そうして、1980年から15年後に公開された「寅次郎紅の花」に再びリリーが登場したわけであった。
いつ結婚してもおかしくない二人で、たぶんお互いに好き同士にちがいない。それでも寅さんの中にある男の美学により、二人は結ばれない。
そんなリリーがあるとき、こんなことを言う。
かっこなんて悪くたっていいから、男の気持ちをちゃんと伝えてほしいんだよ、女は。だいたい男と女の間っていうのはどっかみっともないもんなんだ。あとで考えてみると顔から火が出るような恥ずかしいことだってたくさんあるさ。でも愛するってことはそういうことなんだろ?きれいごとなんかじゃないんだろ?
これは、寅さんの甥である満男が、自分の好きな人が他の男と結婚してしまうのをぶち壊してしまったことに対してのことばだ。
寅さんとしては「自分の心を押し殺しておめでとうと言う」のが男の美学である。
しかし、リリーはその寅さんに対して、「男と女の間っていうのどっかみっともない」と言い、「愛するっていうことはそういうこと」と言う。
このふたりのやりとりを見ていて、私はどっちかというと寅さん派だった。
好きな女性がいて、もし、彼氏と結婚するというのなら笑顔でおめでとうというのがカッコいいだろう。
それ以前に、好きな女性ができたとしても、ちょっとしたことであきらめてしまうと思う。
身を引くのがカッコいい男だと思っているフシが自分にはある。
でも、もしかしたら、私はもっと無様な思いをしたほうがいいのかもしれない。
もともと「カッコいい」というキャラでもないし、モテキャラでもない。どちらかというと無様キャラのほうがお似合いである。
いつのまにか、無様になりたくなくて先のことばかり気にしてしまい、今の自分の気持を尊重せず、自分の気持ちに正直になれない自分になってしまった。
フラレても、断られてもいいから、もっと自分の気持ちを出していかなければいけないのだと思う。もちろんストーカーまがいの行為はやってはいけないが、自分の気持ちくらいは伝えられる男になりたいものだ。
リリーのことばを聞いて、ちょっと反省してしまった。
いまも昔も、女心を理解するのが苦手な私だが、まずはもっと自分の気持ちに正直になるように努力してみようと思う。
人に自分の心をぶつけられる人間になりたい。