そこらへんを歩いている子どもを見ていたら、『枕草子』の一節を思い出しました。
うつくしきもの。瓜に描きたるちごの顔。
(中略)二つ三つばかりなるちごの、急ぎて這ひくる道に、いと小さき塵のありけるを、目ざとに見つけて、いとをかしげなる指にとらへて、大人ごとに見せたる、いとうつくし。
訳は
かわいらしいもの。瓜に描いてある幼児の顔。
二歳か三歳ぐらいのこどもが、急いで這ってくる途中に、とても小さいごみがあったのを、目ざとく見つけて、とてもかわいらしい指でとってきて、大人などに見せているのは、とてもかわいらしい。
となります。
見てのとおり「うつくし」は古語で「かわいらしい」という意味があります。
この『枕草子』の一節を思い出すたびに、「子どもってかわいいなぁ」と思ってしまいます。
この場面は、「塵」を拾っちゃって、無邪気に見せに来る子どもが、想像できますね。ホントかわいい。
私が思うに、子どもたちのどんなしぐさがかわいいかっていうと、
まず、
なにかおいしそうに食べているところ。
これが、たまらなくかわいいなぁと思います。なんか無邪気に、むしゃむしゃ食べているんですよね。
たいていの子どもは、両手で食べ物を持って食べるじゃないですか。それがまたかわいいですよね。口のまわりに食べかすなんかつくのも、またいいものです。
それから、
お父さんあるいはお母さんに手をつながれながら歩いているところ。
これもまたかわいい。
子どもからすると、つないだ手はけっこう高い位置にあるので、片方の手は真上に伸びてる状態です。でも、しっかりつないでいるんですよね。
ちょっと親御さんが手を放すと、また子どもが一生懸命、手をつなごうとするんですけど、それもまたいいです。
ひとりでよちよち、一生懸命歩いている姿。
これもまたよし。
よくお父さんが、その歩いている姿を、後ろから見守っているんですが、その姿は微笑ましいです。私も一緒に見守っていたくなります。
ベビーカーに乗せられた幼い子が、目があっても不機嫌な顔をしている
子どもはきまぐれですよね。じーっとこちらを見ているんだけど、にこりともしない。
一生懸命こちらは変顔をして笑わせようとしているのに、「なにそれ?もっとおもしろい顔をしなきゃ笑わねえぞ」と言っているかどうかはわかりませんが、不機嫌な顔のままでいられることがよくあります。
それはそれで、かわいいですよね。ちょっと負けた気持ちになりますけど。
あと、
なんでもいじろうとするところ、
その姿もかわいらしい。
お母さんが「さわっちゃだめ」って言ってるのに、ガン無視して無邪気にいじっている様はなんとも言えないですよね。
たまに、口に入れてはいけないものを入れてしまうことがあって、ビビることもありますが。
さてさて、子どもってなんでこんなにかわいいんでしょうかね?
なにやってもかわいい。
とても不思議な生き物です。
私は結婚したことがないので、自分の子どもがいません。お父さんやお母さんだったら、もっとたくさん、子どものかわいらしいところを言えるんだろうなぁと思います。
そう思う時、結婚して家庭を築いておくのもよかったなぁなんて、ちょっとだけ思ったりします。
まあ、後の祭りですけどね(^_^;)