堀江貴文さんが書いたこの本は、すごかった。
すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/03/16
- メディア: 新書
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まずタイトルが
すべての教育は「洗脳」である
と言い切っているのがすごい。
ここに堀江さんの意見の一端が見える。
が、この本は、単純に現代の学校教育・あるいは企業における研修等の教育を批判するだえにとどまっていない。
そこがすごいところなのです。
私が思うに、学校教育のダメなところは、社会に出ても役に立つことが少なすぎる、というところです。
たとえば、中学1年生で習った「正負の数」、あるいは中学3年生で習った「因数分解」など、社会に出て使ったことなど一度もない。
中3理科で習う「仕事」とかもそう。
国語で習う「文法」も同様。
こんなムダ知識を小学生から高校生にかけて叩き込まれるのです。
大学受験までに勉強したほとんどものが、いま役に立っていません。学校教育は本当にムダが多い。
だから、子どもに「なんのために勉強するの?」と聞かれても、ロクな答えを返すことができません。
せいぜい、「いい大学に入って、いい会社に入るためだよ」くらいしか言えませんよね。
でも、勉強する内容がもっと変われば、小学校1年から高校3年までの12年間はもっと有意義に使えるはずですよね。
(もしそう思えないなら、やっぱり学校教育に洗脳されているのです)
私は、常日頃、上記のように思っているわけですが、堀江さんの本を読むと、学校教育が何のためにあるのか、こう書いてありました。
読み書きそろばんができ、指定された場所に毎日規則正しく通い、リーダーの指示に耳を傾け、言われた通りの作業に励む、そんなサイクルをこなせる「きちんとした大人」を大量に用意するには、子どもの頃から仕込むのがてっとり早い。
「国民としての意識」、つまりナショナリズムを強く持った従順な人間を国家は求める。
簡単に言っちゃうと、従順な国民をつくる機関なわけですね。
だから、極端に言っちゃえば、「中身なんてどうでもいい教育」をしちゃうわけなのです。社会に出て役に立っても立たなくてもいい教育を。
で、こんな教育を受けて大人になってしまったんだけど、どう生きていけばいいのか、それが堀江さんの本に書かれているわけです。
かなり参考になることが多かったのですが、いくつか例をあげてみます。
たとえば、「学び」。多くの人が、「学び」というのは、学校や塾で教わるものだと思っているのですが、堀江さんにとってはちがいます。
僕が言う、「学び」とは、没頭のことだ。
脇目もふらずに没頭し、がむしゃらに取り組める体験のすべてが「学び」だと僕は思っている。
没頭をしている人にとっては、正解が見つからないことも、自ら動かなければ取り組むべき課題が見つからないことも、没頭する対象があるかぎりすべては「楽しい」ことだ。
学校でやることは「お勉強」。でも堀江さんが言う「学び」が「お勉強」よりも社会に出て役に立つことは否定できません。
私も、もっといまやっていることに没頭するべきなんだろうなぁ。
そして、もう一つ、目からウロコだったのがこれ。
もし、あなたが自分自身の価値をもって高めたいと思っているのであれば、するべきことははっきりしている。「投資」だ。1万円を「使う」ことによって10万円へ、100万円へと増やしていくように、自分自身の市場価値を高めていくのだ。この発想を、我慢と節約が必須の「貯金型思考」とは逆の「投資型思考」と呼ぼう。
「投資型思考」とはなかなか耳慣れないことばだし、何をすればいいのかわからない。行動するべきこととしては、積極的に自己投資をしていく、ということです。
ただし、具体的な内容については、ここで説明するにはスペースが足りないし、堀江さんよりうまく説明するのは困難なので、本を読んでください。
ということで、ブログで中身を紹介するのが困難なほど、濃い本です。今まで常識ばかりにとらわれていた人は、一回読んでみるといいです。
オススメの一冊です。
オススメ度
☆☆☆☆☆(星5つ)