もう、けっこう昔のことになりますが、都知事選前に石原慎太郎氏が、小池百合子さんに向かって「大年増の厚化粧」と言ったことがありました。
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このニュースを耳にした多くの人が「何言ってんだ、このオヤジ」と思ったはず。もちろん私も思いました。こういう中傷の仕方は品のない人がやることですね。
まず年齢を重ねた女性に対してどう思うか、それが問題。
本来、女性は歳を重ねていけばいくほど美しくなっていくのです。私はそう思っています。
私は、自分より年上の女性も大好きです。一緒にいると安心します。なんか心の安らぎを感じるんですよね。人間的に美しくなっているからなんでしょうね。
もちろん若い子も好きです。子どもも好きです。
ところで、高村光太郎の『智恵子抄』にこういう詩があります。
あなたはだんだんきれいになる
をんなが附属品をだんだん棄てると
どうしてこんなにきれいになるのか。
年で洗はれたあなたのからだは
無辺際を飛ぶ天の金属。
見えも外聞もてんで歯のたたない
中身ばかりの清冽な生き物が
生きて動いてさつさつと意慾する。
をんながをんなを取りもどすのは
かうした世紀の修業によるのか。
あなたが黙つて立つてゐると
まことに神の造りしものだ。
時時内心おどろくほど
あなたはだんだんきれいになる。
(『智恵子抄』より)
女性は「付属品をだんだん棄てる」ときれいになっていきます。アクセサリーも化粧も本当は必要ない。その内面からにじみ出るような美しさがあるから。
これは高村光太郎が、妻智恵子のことを書いたものですが、女性を見る目はこうじゃなきゃ、と思います。
先日、電車から降りたら、若者たちが「あの女は絶対ブスだよ」とか、「好みじゃない」とか言っていました。私から言わせれば、「そんなこと言うお前らのほうがブ男じゃ」って感じです。
女性を見る目がなっていません。女性の外見は内面がにじみ出るものなのです。だから表面だけ見ててもいけないのです。『智恵子抄』を読んでそう思います。
本当にキレイな女性はまさに「神が造りしもの」に見えるんでしょうね!
私の目は、「高村光太郎のような目」でありたいと思いました。「石原慎太郎氏のような目」は絶対にいりません。
すべての女性は歳を重ねる度にキレイになっていく、私はそう思います。
『智恵子抄』を読むたびにその感がだんだん強くなっていきます。
※ただし、おばあちゃんになってある程度たつと、かわいくなる時期がくるとも思っています。