村田沙耶香さん『消滅世界』にかなり衝撃を受けた

f:id:motoshidaa:20170815234626j:plain

『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香さん。いつか読もうかなぁ・・・って思っていたんですが、どこかのサイトで『消滅世界』という怪しげなタイトルを見つけたので、まずこれを読むことにしました。

 

ところで、この世界、おかしい。

 

どこがおかしいかは、とりあえずおいといて、まずは、アマゾンでの「作品紹介」を。

「セックス」も「家族」も、世界から消える……人工授精で子供を産み、無菌の家族をつくる、人間の本能の行方は?日本の未来を予言する圧倒的衝撃作。

中村文則・岸本佐知子氏驚愕!

 

壮大な世界。でもこれは母と娘の物語ではないだろうか。

さすが村田沙耶香。この作家はすごい。--中村文則

 

見たこともないほど恐ろしい「楽園」が、ここにはあります。--岸本佐知子

 

どうです?

想像できます?

 

この作品の舞台は日本。

 

人工授精の技術が進み、性交渉(=交尾)で子どもをつくらなくなった世界の物語です。

 

そこでは、自分たちの子どもをつくるために結婚という制度がありますが、結婚しても「交尾」はしません。すべて人工授精で子どもをつくることになります。

 

「交尾」をしない夫婦、ただ単に、子どもをつくるために一緒になるのです。

 

そして、結婚しても、恋人は別にいたりもします。つまり自分の旦那さんに恋人がいるし、奥さんにも恋人がいるという状態がありえるのです。

 

そんな非常識の世界。現代社会に生きる我々にはあり得ない世界の話です。

 

 

でも、この本を読み進めていくうちに「家族ってなんだろう?」って思っちゃいました。

 

夫と妻、もともと他人です。それなのに結婚すると家族になり、一緒にいて当たり前の存在になります。

 

それがこの世界の常識です。

 

でも、家族って必要なんでしょうか?

結婚したら一緒に住む必要があるのでしょうか?

子どもは親が育てなければいけないのでしょうか?

自分の夫あるいは妻は1人じゃなきゃいけない?

 

数々ある、現代社会の常識を、ひとつひとつ考えさせられました。

 

 

また、恋ってなんだろうとも考えてしまいます。

 

恋したら性交渉する?

それがなくても恋?

恋心なしの性交渉もあるでしょ?

 

そんなことを考えながらドツボにハマっていきます。

 

読むと、いろんなことが頭に浮かんでしまう、恐ろしい物語です。

 

 

さて、話が進んでいくと、主人公は実験都市に移住します。そこは異常なところ。

 

その都市では大人全員がおかあさん、子ども全員がみんなの子ども。もちろんふつうの意味での家族はここには存在しません。

 

みんなの子どもをみんなで育てる。都市ひとつが大きな家族って感じです。

 

 

でも、もしかしたら、この物語に描かれた異常な姿が、人類の繁栄のためにはいいのかなぁとも思いました。

 

アマゾンのレビューを見たら、「設定があまい」とか「めちゃくちゃ」という評価もありましたが、私はこの作品からかなりの衝撃を受けました。本当にいろいろ考えさせられた作品です。

 

村田沙耶香さんの頭の中はすごいです。

 

人によってはこういうのが苦手な人もいると思いますが、ちょっと興味がある方はぜひ読んでもらいたい作品です。

 

衝撃を受けるはずです。